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解説者に聞きました!「もう一度観たいあの舞台、あの配役」

歌舞伎ファンの皆様には、「できることならもう一度観たい!」と思う舞台が必ずあるのではないでしょうか。
今回は、イヤホンガイド解説者たちに「もう一度観たい舞台」について聞き取り調査をして、まとめてみました!
名舞台から、個人的な想い出とリンクした舞台、いまはもう観たくても観られない舞台・・・などなど。皆様ご自身の想い出とも重ね合わせながら、お楽しみいただければと思います。

豪華配役で上演された舞台

歌舞伎の場合、演目は何度も繰り返し上演されますが、「この配役での公演はこの時一度きり!」という貴重な公演もあったりしますよね。

まずは、こちら・・・

『梅雨小袖昔八丈 髪結新三』(平成12年4月、歌舞伎座)
<配役>
髪結新三=中村勘九郎(十八代目勘三郎)
弥太五郎源七=片岡仁左衛門
白子屋手代忠七=中村芝翫(七代目)
家主長兵衛=中村富十郎
白子屋娘お熊=坂東玉三郎   ほか

初夏の江戸の季節感が生き生きと描かれた舞台。初鰹、梅雨、髪結の所作、長屋の生活、大家の存在感。騙し騙され江戸の底辺にうごめく人物たちのドラマが巧み。前科者の髪結新三が忠七を騙し、お熊をさらい、金を強請る。勘三郎が善人顔と小悪党を巧みに使い分け、永代橋で忠七を罵倒し、十両でかたを付けに来た弥太五郎源七への啖呵、大家とのやり取りの喜劇も面白かった。(鈴木桂一郎)


豪華配役の「髪結新三」…!この時は、十七代目中村勘三郎十三回忌追善興行だったので、この豪華な配役が実現しています。

豪華配役といえば、こちらも・・・

『青砥稿花紅彩画』(平成16年4月歌舞伎座)
<配役>
弁天小僧・青砥藤綱 = 中村勘九郎(十八代目勘三郎)
南郷力丸 = 坂東三津五郎
赤星十三郎 = 中村福助
忠信利平 = 中村信二郎(現・錦之助)
日本駄右衛門 = 片岡仁左衛門   ほか

歌舞伎座は翌5月から2ヶ月間、現・市川海老蔵の襲名披露でした。良席の披露チケットを買った歌舞伎ファンはどうしても前月公演を買い控えがち。でも負けん気の強い勘九郎は、あえて華やかな演目を選びました。
初日はちょうど桜の満開の頃。観客は名所の桜を楽しんでから劇場に足を運び、定式幕が開くと序幕「新清水の場」がこれまた満開の桜の舞台。「オーッ!」と 大きな歓声が沸きました。季節感って大事だと思い知らされました。時折YouTubeでマクドナルド「平成中村座」版のCMを見て、涙ぐんでいます。(鈴木多美)

読者の皆様の中にも、十八代目の勘三郎さん出演の舞台をできることならもう一度観たい・・・!という方、たくさんいらっしゃるのではないかと思います。

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歌舞伎・文楽のイヤホンガイド解説者が、古典芸能が好きな皆さんと共有したいことや芝居への愛を語ります。複数名の解説者が執筆を担当するので、色…