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【初心者さん向け!演目ざっくり紹介】1月歌舞伎座「壽 初春大歌舞伎」公演

皆様こんにちは。
皆さまの歌舞伎観劇の第一歩をサポートする「歌舞伎はじめてガイド」。

歌舞伎を観てみたいけれど、どこから情報を得れば良いのかわからない…
歌舞伎の演目名がずらっと並んでいても、どんな内容なのかがわからなくて困る!
・・・そんな初心者さん向けの「演目ざっくり紹介」、1月歌舞伎座編です。

「お正月に歌舞伎を観る」というのを恒例行事にしている方も多いようですが、2022年1月も、「歌舞伎はじめ」にぴったりの演目が並びました!

2022年1月歌舞伎座チラシ

《第一部の演目》『一條大蔵譚』『祝春元禄花見踊』


まずは一條大蔵譚いちじょうおおくらものがたり。歌舞伎作品の中でも人気の題材が「源氏と平氏の争い」の時代を扱ったもの。この『一條大蔵譚』もそのひとつです。

もともとはもっと長いお芝居(覚えなくて良いですが『鬼一法眼三略巻』というタイトル)で、その中の一場面が、今回上演される『一條大蔵譚』。長いお芝居の一場面しか上演しないのは「歌舞伎あるある」のひとつで、私も歌舞伎を観始めた頃、「いや、なんで一場面しかやらないの……???」と戸惑ったものです。。。
これは、歌舞伎が「役者の芸」を見ることに重きを置いている芸能だから、なんですね。芝居の中身(物語)は観客が知っている前提で、「あの役を、今度の俳優がどう演じるのか」そこに注目して楽しむという・・・
そんなの上級者にしか楽しめない楽しみ方では?と感じるかもしれませんが、意外とそんなこともないんですよ。この『一條大蔵譚』では、主人公・大蔵卿おおくらきょうのキャラクターに注目を!「阿呆」と陰口をたたかれるような「いかにも貴族のお坊ちゃん」みたいな大蔵卿が、後半になるとガラッと変わった姿で登場します。

この大蔵卿を中村勘九郎さん(大河ドラマ「いだてん」でもお馴染み)が、どう演じるのか・・・愛嬌と格好良さと、勘九郎さんの魅力を存分に感じられるはず!この場面だけが何度も上演される「人気の場面」な理由も、初めて観劇される方にも伝わると思います。「歌舞伎俳優の演技ってすごい!」を感じたい方にはとてもおススメです。
大蔵卿の本心や、そこに至るまでの経緯はちょっと正直言うと難しいかもしれませんので、そこは観劇中にイヤホンガイドが解説サポートしますのでご安心ください!

☆歌舞伎好き社員・藤之森のトークでも『一條大蔵譚』をご紹介しています!ご参考に…!


そして、もう一つの演目祝春元禄花見踊いわうはるげんろくはなみおどり。こちらは、とっても華やかでお正月らしい舞踊です。
『元禄花見踊』という曲がありまして、今回はそのタイトルにさらに「祝春」とついています。歌舞伎って、タイトルをこういう風に、上演する時々によって変えちゃうんです!言い換えると、タイトルを紐解くとどんな演目なのかがわかるということでもありまして。
「祝春」もちろん、新しい春=年始を祝う、ということなんですけど、今回のこの演目はおめでたいことがもう一つ。中村獅童さんのご長男・小川陽喜おがわはるきくんの記念すべき初お目見えの舞台となります㊗!獅童さんのYouTubeなどでも可愛らしい姿が注目の的となっていた「はるきくん」3歳が、舞台でどのような姿を見せてくれるのか!歌舞伎が大好きだそうで今後の成長っぷりも楽しみですが、「あの役者の初お目見えを見た」というのは、歌舞伎ファン的「自慢あるある」のひとつです。

 

《第二部の演目》『春の寿』『艪清の夢』

春の寿はるのことぶきという大きなタイトルの横に「三番叟さんばそう」「萬歳まんざい」と書いてありますが、こちらが曲名です。お正月にぴったりな舞踊2つを詰め合わせにしたセットを『春の寿』という名前でお届け!みたいな感じです。こちらは華やかというよりも、「古くからの日本のおめでたい舞踊といえばこれ!」というような雰囲気のもの。

そして、艪清ろせいの夢』。こちらは松本幸四郎さんが主演の、お芝居です。
芝居の主人公は、艪屋清吉(略して「艪清」です)。お金に困っていたはずの清吉が、いつのまにか「お金をどうにかして使いたい!」という状況に陥っているという、これだけ聞くと「謎」に満ちたお話。タイトルの通り、「夢」がキーワード。そしてタイトルの前には「新玉の笑いで寿ぐ」という文字が。歌舞伎界きってのアイデアマン、そして楽しいことが大好きな幸四郎さんが主演ですから、洒落っ気たっぷりに笑わせてくれること間違いなしです。

初春を寿ぐ舞踊と初笑いで、一年の福を引き寄せたいという方はぜひ第二部をどうぞ!

 

☆観劇前のWeb講座には幸四郎さんも出演!『艪清の夢』の注目ポイントなどをお話してくださいます!ぜひチェックを。

 

《第三部の演目》『岩戸の景清』『義経千本桜』

まずは『岩戸の景清かげきよ。こちらの趣向も「俳優を見る!」です。ただし、上の『一條大蔵譚』のところで書いたものともまたちょっと意味が違って、むしろ宝塚歌劇のレビューとかに近いかもしれません。ストーリー性よりも、どんな格好で、どんなキャラで「推し」が出てくるかを楽しむ!みたいな感じです。
出演するのは、若手の俳優さんたち。若手俳優中心に公演がおこなわれる「新春浅草歌舞伎」が今年のお正月は上演されません。代わりに歌舞伎座の一演目を若手が担って、新春のご挨拶代わりのひと幕です。

そして、義経千本桜よしつねせんぼんざくら。今回上演されるのは「川連法眼館かわつらほうげんやかたの場」で、『義経千本桜』の中の四段目(=四幕目)の切(クライマックス)の場面で、通称「四の切しのきり」と呼ばれています。他の芝居にももちろん「四段目の切場」というのはあるんですが、「四の切」といえば『義経千本桜』の川連法眼館の場のことを言う・・・そのくらい大人気の場面。
「歌舞伎を観たことがないけど何を最初に観たら良いか?」と聞かれたら、これをお勧めする!という歌舞伎通のお仲間もたくさんいると思いますが、私も全力でおすすめします。ファンタジー要素のある物語の面白さもあれば、歌舞伎の大掛かりな舞台機構を使った仕掛けや俳優の身体能力のすごさも堪能できて、視覚的にも楽しい!歌舞伎ってすごい!と思える演目です。今回は市川猿之助さんが主演で、「宙乗り」も披露するバージョンでの上演。最後、ハッピーにテンションあがって家路につける、これぞ「江戸時代からのスーパーエンタメ歌舞伎」をぜひお見逃しなく!

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以上、1月演目のざっくり紹介でした。
皆様の「歌舞伎はじめ」に、少しでも参考になりますように!(編集A)


★歌舞伎座の1月公演情報はこちらから↓↓↓(チケットは12月14日一般発売!)


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