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イヤホンガイド解説者が選ぶ!「忠臣蔵キャラクター総選挙」

“12月”といって思い浮かべるものといえば、芝居好きな皆さんはクリスマスよりも前にきっと「忠臣蔵」が出てくるはず!?

・・・ということで、今回は、芝居好きのイヤホンガイド解説者たちに「忠臣蔵」に出てくる登場人物のなかから「推しキャラ」を選んでもらう特別企画をお送りします!

(※ちなみに『仮名手本忠臣蔵』だけではなく、すべての「忠臣蔵もの」からキャラクターを選んでもらった結果、かなり票数が割れております)


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まず上位5位のキャラクターをランキング形式で発表!
投票した解説者の「推しコメント」も合わせてお楽しみください。

5位(1) = 忠臣蔵随一の色男といえばこの人物


☆第5位☆ 早野勘平『仮名手本忠臣蔵』

とことん運に見放され、悪気はないのにやることなすことハズレばかり。「色に耽ったばっかりに」あれもこれも「鶍の嘴とくいちがい」。そんな情けない男のくせに水も滴るいい男、というあたりがなんとも憎い。情けないところに共感し、いい男ぶりにうっとり…。いかにも歌舞伎らしくて好きです!(立木つねこ)

勘平が主役となる『仮名手本忠臣蔵』五・六段目は、劇的に物語が展開していく、忠臣蔵の中でも屈指の人気場面ですね。

六段目 (2)切り取り済み


5位(2) = え、登場“人物”にカウントしますか…?

☆同列 第5位☆ 口上人形『仮名手本忠臣蔵』

人形をあえて1位とした理由は、他の演目ではお目にかかれない存在だからです。歌舞伎が人形浄瑠璃から発展したという歴史を感じることができる大切な存在です。「えっへん」を繰り返し、首もぐるぐる回る口上くんに一票です。(石塚みず絵)

いや、まさか口上人形がランキング入りするとは思っていませんでしたが…
でも確かにあの口上人形の口上から一気に「忠臣蔵」の世界に入り込んだような気持になります。

大序


4位 = あれ?1位じゃないの…?

☆第4位☆ 大星由良之助(大石内蔵助) 『仮名手本忠臣蔵』ほか

我らが大谷翔平は最早ベーブ・ルースを超えるレジェンドになっているが、神社がその名を「大石」に改めるほどの偉業を成した内蔵助に勝る人物は早々現れないだろう。私が二百余年前の江戸にいて、討ち入りのニュースを知ったら、「MVP! MVP!」と声を大にして叫んでいたに違いない。12月は今年も、これからもショータイム。(柳下国興)

とにかく、仮名手本忠臣蔵のなかでは、かっこいいです。(奥山久美子)

討ち入りのリーダー大石内蔵助(『仮名手本忠臣蔵』では「大星由良之助」)はなんと第4位!

由良之助に関しては、印象に残った場面と俳優指定でコメントを寄せてくださった解説者も。

〇十二代目市川團十郎 四段目判官切腹の場面での大星由良之助
忠誠を誓った主君の最後に駆け付けるところから、判官とのアイコンタクト、委細承知と胸を叩く一連の流れ。昼行燈と言われた芒洋とした人物が、悲しみを滲ませながら最後を迎える主君へ身体全体でメッセージを送る内蔵助がたまりません。

〇初代松本白鸚の四段目 城明け渡しの大星由良之助
心中の様々な感情を押し殺して、血気にはやる一党を去らせたあと、一人提灯を片手に城を背に去っていく姿。誰もいないところで、たった一度だけ泣く内蔵助の心情が溢れるようで、今でも映像を見ると泣けてしまいます。(濱口久仁子)

名優の名演技、生の舞台で観てみたかったです。

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3位 = 完全な悪者キャラですが…


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