夏の風物詩、薪能
全国各地で行われている薪能ですが、中でも8月3日に山梨県は小淵沢町にある身曾岐神社の能楽殿で行われる八ヶ岳薪能は別格で、神様に奉納するという特別な意味をもった神事のようです。
昨年は新型コロナウイルスの影響により中止となってしまいましたが、今年は感染症対策を万全にした上で実施できるとのこと、とても喜ばしく思います。

この八ヶ岳薪能は上記の通り、奉納であるため、通常の薪能は篝火に火入れをし、その後に上演となりますが、この八ヶ岳薪能は、開演前に舞台を浄める独特の形式がとられるようです。また、八ヶ岳の麓の地にある大自然に囲まれた身曾岐神社で日の入りとともに篝火が点火され、舞台前の水面に映され水鏡という幻想的な雰囲気が醸し出されます。
暑い夏の中ですが、大自然の暗闇の中で篝火が映えわたり、静寂の中で行われる薪能こそ我々を幽玄の世界へと導く、日本の伝統の奥深さを感じられるものではないでしょうか。

さて、イヤホンガイドと八ヶ岳薪能の出会いは2017年とまだ4年ほどなんですね。その年の9月市川海老蔵さんの巡業「古典への誘い」がきっかけだったようです。
昨今、能の公演にもイヤホンガイドをというお声がけを各所でいただき、優美なる世界を少しでも深くお届けできる機会が増えてきました。ぜひ当日、足を運ばれる方はご利用ください。

命には終りあり、能には果てあるべからず（世阿弥『花鏡』）

開催日：2021年8月3日(火)　※雨天決行　荒天中止 　
場所：身曾岐神社　能楽殿
開場：15：30　開演：17：00　終演：19：45予定
詳しくは…　https://www.misogi.jp/shinji/year/yatsugadake/
イヤホンガイドレンタル料金　1,000円/1台　税込　保証金無し