【はじめてガイド】歌舞伎用語解説⑤「附け」
歌舞伎では舞台向かって右、上手側の端で、「バタバタッ!」と木の棒を板に打ちつけている人がいます。
この人を「附け打ちさん」と呼びます。
登場人物の動作や物音などを強調するための効果音をつけてくれているのです。
この「ツケ」は、歌舞伎では多くの作品に様々な用途で使われます。
人が走る時、刀と刀がぶつかった時、何かが壊れた時など…。
例えば・・・手紙を落とした時、普通なら手紙を落としただけでは大きな音は鳴りませんよね?
しかし、その手紙が物語において重要な手紙だとしたら…舞台では「今、大切な手紙が落ちましたよ!」と観客に気づいてもらうために「ツケ」が打たれます。
このように、ツケは物語を印象付けるために歌舞伎では無くてはならない存在なのです。
ツケは用途によって打つ音の大きさやタイミングが変わります。
人が走る動作一つとっても女性が走る時は軽やかに、男性では力強く大きく打ったり、また、登場人物の身分などによっても打ち方が変わったりするんです。
ツケの打たれる動作で代表的なものというと、「見得」というのもあります。
「バタ!バッタリ!」という音に合わせて登場人物が格好よく決まる「見得」のポーズ!
みなさんもこれは想像できますかね?
ぜひ生でツケの音を聞いてみてください。
舞台がよりいっそう盛り上がります!