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イヤホンガイドがリモートワークで進めたこと

劇場公演が軒並み中止になる間、イヤホンガイドは何をしていたのか…コロナ禍でのイヤホンガイドの取り組みと、リモートワークでのエピソードを新入社員の梶田がご紹介します。

4月1日から5月8日までの入社時研修を終え、私は営業部に仮配属になりました。仮配属では、OJTのようなかたちで先輩と共にZoomで行われるミーティングに参加。議事録を書いたり、意見を述べたり…わからないことが大半なので先輩に質問しながら勉強の日々でした。

◆業務の見直し

このコロナ禍で公演中止が相次ぎ、劇場での業務がなくなってしまったなかで、イヤホンガイドは公演再開時に「より良いサービスをお客様に提供し、業務の効率化を目指すため」、根本的な業務の見直しを行いました。具体的には、

くまどりんカード制度の今後
・お客様にとって利便性の高い貸出方法
・これまでの概念にとらわれない、新しい決済方法の見直し
・お客様のニーズに合わせた、販売促進の見直し
・劇場だけに限らない、新しいサービスの展開

このなかでも特に、今回は以下3つの検討に関して、その経緯などもお知らせします。


1)くまどりんカード制度

沢山のお客様にご愛用いただいておりました「くまどりんカード」ですが、使用していたカードの読取システムの老朽化などの理由から、やむを得ず終了する運びとなりました。お客様にご理解を頂き、今後も変わらずイヤホンガイドをご利用したいと思っていただけるよう、終了に伴う手続き方法や、売場での対応について検討しました。
次期サービスでは、くまどりんカードの良さである「保証金不要」「劇場でのお金のやり取りが最小限」の2点を残し、また会員登録をせずともすべてのお客様に上記のメリットを享受していただける方法を検討しました。
※くまどりんカード制度の終了に伴います対応につきましては、こちらをご覧ください。


2)貸出・決済方法

現在はイヤホンガイド受信器を手渡しでお貸出しするという形式をとっておりますが、お客様のスマホアプリで解説を購入し、お聴きいただけるシステムの検討がされました。お客様の利便性も高く、当社としても売場の簡素化が見込めます。私もこの案に大賛成でした。しかし、現状ではアプリの更新・決済手数料などよって採算が取れない可能性が高く、スマホをお持ちでないお客様への対応の必要性も考えられます…。今後、システム開発を進め、より現実的に考えられる場面まで持ち越しの案になりました。
その後もスマホで購入する電子チケットや、プリペイドカードなども検討されましたが、いずれも現状での導入決定には至らず…最終決定は「回数券」の試験導入となりました。
「なんとまあ、原始的!」と思われるかもしれませんが、このコロナ禍でお客様へのご説明が難しい中で、回数券は最もシンプルわかりやすいものです。同時に「券売機」の設置、「交通系ICカード」での決済も導入することで、現金のやり取りを極限まで減らし、ご利用頂く皆さまへの感染リスクを抑えることを最優先としました。
※劇場との調整のうえ、今後試験導入時のお客様のご様子を鑑みて継続するべきか最終判断を致します。変更の可能性もございますので、ご了承ください。

3)新しいサービス展開

イヤホンガイドはこれまで舞台ありきでお仕事をしてまいりました。しかし、新型コロナウイルスの流行により、劇場公演は中止に…このままでは興行主、舞台関係者ともに苦しい状況が続くことが懸念されました。また、私を含め観劇ファンにとっても「観劇のない人生がこれほど悲しいものか…」と嘆きのお声が…
このような状況下で当社は「劇場にいけなくても、お楽しみ頂けるものをお客様に提供したい」と考えました。何をご提供すれば喜んでいただけるだろうか…と社員一同頭を悩ませ、アイデア出しから制作まで取り組んでおります。

◆“赤穂事件”を知らないアナタのための『忠臣蔵』講座
イヤホンガイド解説者が、劇場を飛び出し歌舞伎の古典名作をわかりやすく解説する解説動画企画。歌舞伎三大名作のひとつ『仮名手本忠臣蔵』を取り上げました!※あの、図夢歌舞伎の演目です。


◆檜舞台が仕事場!ぼくらの"和"仕事~踊って鳴らして唄ってます~(全3回)
日本の伝統芸能の世界で活躍する3名をスペシャルゲストにお迎えし、お仕事の話からプライベートまで自由にお話頂きました!

※企画に込められた思いなどは、こちらのnoteをご覧ください

◆note『解説者のひろば』マガジン配信
歌舞伎・文楽のイヤホンガイド解説者が、古典芸能が好きな皆さんと共有したいことや芝居への愛を語ります。劇場のイヤホンガイド放送内では語りつくせない熱い想いをご堪能ください。


◆『観劇ポイント講座』配信
待ちに待った歌舞伎座再開。8月は劇場でのイヤホンガイド貸出を中止する代わりに、八月花形歌舞伎の演目をイヤホンガイド解説者がわかりやすくご案内する解説動画です。

※講座の詳細や、無料のお試し動画はこちらからご覧いただけます。


「歌舞伎座の再開を待ち望み、観劇したい気持ちは溢れそうなぐらいあるが、感染リスクを考えると観劇から遠のいてしまう…」「地方に住んでいるので、劇場までの移動が不安…」「いまはまだ劇場に足を運べないが、観劇を心待ちにしている」
そんな皆さまにもお楽しみ頂けるものもご提供してまいりたいと思います。今後、こんな動画が見たい、こんな記事を読みたいなどございましたら、ご自由にコメントを頂けますと嬉しいです。

◆リモートワークエピソード

このような内容を在宅勤務で行っていたわけですが、ここからはリモートワークでこんなことがあった!というエピソードをお話します。リモートワークあるあるなのでしょうか?

①すぐに先輩社員の顔と名前を覚えられた!
私は、なんといっても人の顔と名前を覚えることが苦手で…しかし、毎日のようにZoomを繋いでミーティングをしていると、有難いことにすぐ覚えることが出来ました!
というのも、Zoomではビデオ画面ONの場合それぞれの左下に名前が表示されるのです。

note社員執筆記事画像_くまどりんZoom

②緊張せずに先輩方とお話できるようになった!
また、入社後はじめてご挨拶するのがZoomという先輩も多く、あまり緊張しすぎずにリモート挨拶ができました。そしてミーティングも対面ではないので、萎縮せずに意見交換ができるようになったのもリモートならではのメリットでした。ただ、話し出すタイミングが被ってしまうこともあるので、そのタイミングを探るのはいまだに難しいです…
③直接ご挨拶するのが、不思議な感覚!
毎日Zoomでお話していたとしても、6月にはじめて対面する方もいらっしゃったので、「毎日お世話になっておりましたが、直接ははじめまして」という不思議な感じがありました。身長が予想していたよりも、大きかった小さかった!印象がなんか違う!など、リモートワークならではのおもしろさもありました。
④月末は調子が悪い社員も…
リモートワークによって自宅のネットワーク環境が必要になりました!ポケットWi-Fiをご使用していらっしゃる先輩社員は、月初は容量があるから問題ないのですが、月末になると途切れがちになってしまう…なんてこともありました。
⑤Googleドキュメント・スプレッドシートを猛勉強!
大学まではofficeのWordやExcelを使用してたのですが、リモートワークになってGoogleドキュメントとスプレッドシートを頻繁に使用するように…。その利便性に感動!
早く使用方法に慣れるため、私は個人的にスプレッドシートでマイ家計簿を作って訓練しました!
⑥雑談タイムが欲しくなる!
在宅勤務だからこそ、社員同士のコミュニケーションが不足気味に…制作部は朝の「おはようミーティング」を設け、最近の様子を雑談したり、業務状況を報告する時間を作っています!
⑦背景でわかる個性
Zoomの背景画面はカスタムが可能なので、真面目なミーティングではないとき(雑談タイム)は、そこで個性がぶつかり合うのです!「御園座」「宝塚劇場」「某テレビ番組」「歌舞伎俳優さん」「自作の絵」「ハリーポッター」「焼肉」などなど…一種の自己表現のネタ状態でした(笑)


そんなこんなで、イヤホンガイドのリモートワークは未だ継続しております。このような状況でも、社員一丸となって励んでまいりますので、今後ともどうぞお楽しみに。
本格的に暑くもなってまいりましたので、みなさまもご自愛くださいませ。