10月歌舞伎座、国立劇場は刀をめぐって大騒動!?
歌舞伎座では、正宗の太刀をめぐるひと騒動、『 太刀盗人』、国立劇場では、妖刀が人を狂わす 『伊勢音頭恋寝刃』 が上演中!
田舎から京の都に上ってきた万兵衛。国に戻る前に、お土産を買おうと寺町の市場によります。お土産をみていると怪しい男、すっぱ(スリ)の九郎兵衛がすりよってきます。九郎兵衛は、万兵衛が携える黄金作りの五郎入道正宗の太刀に目をつけたのです。人込みに紛れ、刀を奪う九郎兵衛。奪われた万兵衛も「盗人じゃ~」と声を上げますが、万兵衛は「この刀は自分のもの」と主張します。
刀の主と主張する男が2人。どちらが本物かわかりません。騒ぎを聞きつけた目代の左衛門が詳細を聞きますが、さて、このお裁きは…
『太刀盗人』は、能や狂言を歌舞伎化した「松羽目物」と言われる演目です。舞台も能舞台を模した、シンプルなもので、登場人物も少ないので歌舞伎を初めて観る人にはオススメ!
『太刀盗人』の大きな見どころは、目代が本物の太刀の持ち主を見定めるため、太刀について質問し、それぞれが答える場面。目代の命令により、舞いながら身振り手振りを加え、答えていきます。
太刀・剣のいわれ、刀の銘、地鉄、刃紋、刀の大きさなど、
五郎入道の太刀とはどのような刀なのか、どうぞ想像して楽しんでみてください!
国立劇場で上演中の『伊勢音頭恋寝刃』は、寛政8年(1796年)5月、伊勢国古市の遊女屋・油屋で起きた殺傷事件を題材に描かれた作品です。
物語は、阿波国 蜂須賀家の御家騒動が主軸となります。
蜂須賀家の家老の息子 今田万次郎は、将軍家へ献上する予定だった「青江下坂」を失い、刀の鑑定書 「折紙」は悪者に騙しとられてしまいます。
そんな万次郎のピンチを救うため立ち上がったのが、この物語の主役、福岡貢。
貢は、伊勢神宮の神職である「御師」で、お伊勢参りに来る人たちを世話しながら、刀探しに奔走します。
貢はなんとか青江下坂を取り戻しますが、刀が本物であると証明する鑑定書がなかなか見つかりません。
ある日、貢は、伊勢古市の廓・油屋に、青江下坂を手に訪れます。遊郭では、入り口で刀を預けるのがお約束。貢の手を離れてしまった青江下坂。実は、「青江下坂」は妖刀で…
「青江下坂」の刀のモデルと言われているのが、越前福井の刀工・下坂市之丞康継によって鍛刀された刀「葵紋康継」(葵下坂)。初代康継は徳川家の御用鍛冶職となったので、刀の中子の部分に葵紋を彫る事を許された事が、銘の由来です。
10月国立劇場ではこの『葵下坂』が特別に展示されております!
刀剣ファンも歌舞伎ファンも、この機会をお見逃しなく!
国立劇場は大劇場と小劇場があり、
ユネスコ無形文化遺産の歌舞伎や文楽だけでなく、
舞踊、邦楽、民俗芸能、雅楽、声明等の公演が上演されます。
今年の秋は、国立劇場であなたの『推しの芸能』」を見つけてみませんか?
【その1 チケットの取り方】
インターネットで簡単予約でス~イスイ!
【その2 観劇マナー】
ドレスコードなんてありません!
場内での気温調整用に、ひざ掛けや羽織があると便利です。
【その3 託児室】
国立劇場主催の歌舞伎公演・文楽公演等をご観劇の間、0歳から12歳までのお子様を託児室にて預かっていただけるサービスがあります!
小さなお子様をお連れの方も安心してゆっくりと舞台を楽しみましょう!
【その4 観劇の後のすすめ】
劇場の目の前は皇居。観劇後は、日常から少し離れ、ゆったり皇居の周りを散歩して秋を感じてみてはいかがでしょうか!
食欲の秋、スポーツの秋、いろいろな秋がありますが、
今年の秋は、芸術の秋も堪能しつくしましょう!!
☆歌舞伎観劇のお供には是非イヤホンガイドをご利用ください。
舞台の進行に合わせてわかりやすく解説します。事前予約はこちらから↓