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【初心者さん向け!演目ざっくり紹介】8月歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」公演

皆様こんにちは。
皆さまの歌舞伎観劇の第一歩をサポートする「歌舞伎はじめてガイド」

歌舞伎を観てみたいけれど、どこから情報を得れば良いのかわからない…歌舞伎の演目名がずらっと並んでいても、どんな内容なのかがわからなくて困る!・・・そんな初心者さん向けの「演目ざっくり紹介」、こちらは8月歌舞伎座編です。

8月チラシ

8月も楽しみな演目がもりだくさん!
さっそくご紹介していきたいと思います。

《第一部の演目》『新選組』『闇梅百物語』

ひとつめの演目は、『新選組』。今回の上演のために新たに製作される新作歌舞伎です。「新選組」といえば、映画やドラマなどでも人気の題材ですが、こちらはあの手塚治虫さんの漫画「新選組」を原作にして作られる作品とのこと。「手塚治虫の漫画が歌舞伎になる!」ということで、上演前から注目を集めています。

これから生まれる作品なので、どんな作品になるのかは当然まだわからないところが多いですが、江戸時代からの古典歌舞伎ではなく新作の歌舞伎なので、現代の感覚で脚本や演出が作られるはず。歌舞伎を観慣れていない方がご覧になっても、すんなりと受け入れるような舞台作品になるのではないかと思います。

原作漫画では深草丘十郎と鎌切大作の友情が描かれているようですが、今回この2人を演じるのは実のご兄弟。中村芝翫さんの息子さんの、中村福之助さん(芝翫さんの次男、鎌切大作役)と中村歌之助(芝翫さんの三男、深草丘十郎役)さんです。長男の橋之助さん含め、仲の良いご兄弟としても有名なおふたりが親友を演じるというのも、楽しみなポイントです。


ふたつめは『闇梅百物語』。こちらは、古典の舞踊演目です。
タイトルにもある「百物語」というのは、百個の怪談話を交代で話していく、肝試し的な遊びのことですね。
この演目は、怪談に出てくるような妖怪たちが次々と出てきて踊るという趣向。怪談話といえば「夏の風物詩」ですから、8月という暑い盛りの納涼歌舞伎にぴったりの演目です。骸骨や、一本足の傘や、河童など、妖怪たちの踊りは「怖い」というよりも見た目にもちょっと「おもしろい」感じかも・・・?

第一部は、新作歌舞伎と、ぱっと見ただけでも面白い踊り…ということで、初心者の皆さんも観やすいと思います。

☆歌舞伎好き社員・藤之森のトークでも、『闇梅百物語』をおすすめしています!こちらもぜひお聴きください!


《第二部の演目》『安政奇聞佃夜嵐』『浮世風呂』

まずは『安政奇聞佃夜嵐(あんせいきぶんつくだのよあらし)。こちらはあまり頻繁には上演されない演目で、私も観たことがありません。戦後の上演記録を調べてみると、3回しか上演されていませんでした。

明治時代に実際に起こった事件を題材に作られた作品だそうですが、その事件というのが、「脱獄囚のお話」だそうで、なかなかヘビーな内容なのではないかな…?と思います。

今回、脱獄犯のふたりを演じるのが、松本幸四郎さんと中村勘九郎さん。おふたりともテレビなどでも活躍されているので、歌舞伎に馴染みがなくてもお顔をご存じの方も多いのではないでしょうか。いまの歌舞伎界を中心となって支えている世代の人気俳優たちです。なかなか上演されない芝居だからこそ、自分たちの解釈を盛り込んで、俳優の魅力が伝わるような芝居作りをしてくれるんじゃないかなと、個人的にはとても楽しみです。

そして『浮世風呂』。こちらは「常磐津(ときわづ)」という音楽と三味線の音楽が演奏される、踊りの演目です。
登場人物は、「三助」と呼ばれる銭湯で働く男性(入浴客の背中を流したりするのがお仕事!)と、「なめくじ」です。「は…?なめくじ…?」という疑問の声が聞こえてきましたが・・・ あの軟体動物の「なめくじ」なんですけど、姿かたちは可愛らしい娘さんとなって出てきます。なめくじの娘さんが三助さんに恋をしてしまい、なめくじらしくクネクネした動きをしながら、三助にせまったりします。

市川猿之助さんが三助、市川團子さん(香川照之さんの息子さん)がなめくじ役で出演。踊りに定評のある猿之助さんの軽快な踊りと、まだ十代(18歳!)のフレッシュな團子さんがどんな可愛らしいなめくじを見せてくれるのか、楽しみです。

歌舞伎らしい演目を観たい!という方は、今月の中では第二部をおすすめします。

 

《第三部の演目》『東海道中膝栗毛 弥次喜多流離譚』

第三部は、「弥次さん喜多さん」が登場する人気シリーズ『東海道中膝栗毛』
松本幸四郎さんと市川猿之助さんのふたりの「やじきた」コンビで、2016年から2019年までは毎年8月に歌舞伎座で新作をシリーズ上演していました。コロナ禍中には、このシリーズを映像作品にした『図夢歌舞伎(ずーむかぶき)弥次喜多』が作られて、Amazonプライムビデオでも配信されています。そして今年、2019年以来、劇場に久しぶりにやじきたが復活!ということで、タイトルに「リターンズ」と入っています。(たぶん)

2016年以来、毎年の夏のお祭り演目という感じで、肩ひじ張らずに笑って楽しめる作品シリーズ。今回はどういう趣向なのかまだわかりませんが、チラシに書いてある役名を見ると、なにかのパロディがたくさん出てきそうな…?

楽しいエンタメ作品が観たい!という方は、第三部の『東海道中膝栗毛』弥次喜多でいかがでしょうか。


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以上、8月演目のざっくり紹介でした。
皆様の「歌舞伎はじめ」に、少しでも参考になりますように!(編集A)

 

 

 


★歌舞伎座の8月公演情報はこちらから↓↓↓

https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/773

 

 

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