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【はじめてガイド】歌舞伎用語解説①「花道」

歌舞伎の劇場の中を見渡すと、舞台から客席のほうに通路のようなものが伸びています。

あれは「花道」といって、歌舞伎の舞台で特徴的なもののひとつ!
俳優たちが花道を通って出たり引っ込んだりする場面は、歌舞伎の見どころでもあります。

舞台の反対側に「花道の出入り口」があるのですが、これは「揚幕あげまく」と呼ばれる幕です。(1階席の後方だと見えるのですが…)
揚幕には、劇場それぞれの紋が描かれていることが多いです👀

歌舞伎座の「揚幕」の位置

この幕を開け閉めするときには「チャリン!」という音が鳴りますが、その音は俳優が登場してくる合図になります。幕の開け閉めには「揚幕さん」と呼ばれる専門のスタッフさんがいて、劇場の2階席・3階席まで「チャリン」という音を響かせて、俳優をサポートしてくれています。

「花道」という名前は、もともとは俳優のファンたちが、お目当ての俳優に「花」つまり「ご祝儀」を渡すための道だったからとも言われていますが、語源は定かではないようです。ただ、それだけ客席と俳優の距離が近くなる場所であることは確かですね。花道での演技、是非ご注目ください。

ちなみに、上演中に「花」を渡せるような演出は現代の歌舞伎公演には残念ながらありませんのでご注意ください。ご祝儀のお気持ちはどうぞ盛大な拍手で表してください♪

それから、花道があるほう、客席から舞台に向かって左を「下手しもて」、反対側、向かって右側を「上手かみて」と呼びます。

「右・左」で呼ぶと、「舞台に立っている俳優さんからの側とお客様のいる客席側どちらから見た左右なのか?」迷ってしまいますが、上手・下手と呼び方を決めてしまえば、方向がわからなくなることはない、という便利な共通用語です。

上座・下座という言葉は皆さんご存知かと思いますが、歌舞伎の舞台では、上手側が上座、下手側が下座と考えてよろしいかと思います。
芝居の中でも、上手側に身分の高い登場人物が位置するということが多いです。そんなところも注目して観てみてください。