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親子は一世、夫婦は二世、主従は三世、12月国立劇場は忠臣蔵が熱い!

12月国立劇場 小劇場では、人形浄瑠璃文楽 『仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)』を上演中。主人公のモデルとなった、大石内蔵助(おおいしくらのすけ)の刀の鐔(つば)と共に、忠臣蔵の世界をご紹介します!


みだしtousou

主君を思う忠義の鐔(つば)

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作品名:大石内蔵助所用「四方二つ巴文鐔」
地金・技法:鉄地、透彫、金布目象嵌


鉄地の四隅に透かしてあるのは、大石家の家紋「二つ巴」をデザイン化したもの。箱書には「大石良雄所用鍔有相得之呈籠手田君 鐡舟居士印(印・鉄太郎)」=【大石良雄(内蔵助)所用の鍔を入手したので、籠手田君に進呈する】と書かれており、一刀正無刀龍いっとうしょうでんむとうりゅうの高弟・籠手田安定が元老院議官に就任した記念として贈ったものです。

この鐔のシンプルな装飾からは、大石内蔵助の実直な性格をうかがえます。鐔のかたちにも、意味があるのですが…
それは、耳寄塾オンライン講座シリーズ『伝統芸能×刀剣 歌舞伎に見る刀剣の世界 第2回』でぜひ、ご確認くださいませ。

ご視聴はこちらから↓↓↓


ここからは、大石内蔵助が主人公のモデルとなった『仮名手本忠臣蔵』で描かれる、主従の世界を少しご案内したいと思います。

みだし②

江戸城で起きた実際の事件「赤穂事件」を題材に描かれたのが『仮名手本忠臣蔵』です。
今回は、題材となった赤穂事件について、ご案内します。

元禄14年(1701年) 3月11日、
赤穂藩主 浅野内匠頭あさのたくみのかみが、「この間の遺恨覚えているか」と、吉良上野助きらこうずけのすけに斬りかかり、
額と背中に傷を負わせました。
何故、浅野は斬りかかったのか、その詮議はされることなく、
その日のうちに、浅野は切腹。御家断絶の処分が下されました。
その後、吉良の不正なやり方が噂となり、江戸時代の人々の中で、浅野の処分に疑問を持つ声が高まり、吉良への仇討ちの期待が大きくなっていきます。

元禄15年(1702年) 12月14日の深夜、
元赤穂藩の家老 大石内蔵助おおいしくらのすけを筆頭に四十七人の元赤穂藩士らが、吉良邸に討ち入ります。
主君の仇討ちを成し遂げた浪士らは、泉岳寺の主君の墓前に吉良の首を捧げ、その後、幕府から処分が下り、全員切腹することとなりました。
打ち首ではなく、切腹の沙汰が下されたのは、忠誠心からの行動に対する恩情だと言われています。


討ち入りから四十七年後、創作され上演されたのが『仮名手本忠臣蔵』です。「親子は一世、夫婦は二世、主従は三世」と言われるように、忠臣蔵の世界では主従の縁を何よりも大事にした赤穂藩士たちの強い想いが描かれます。
『仮名手本忠臣蔵』に描かれるキャラクターは、どのキャラクターも魅力的。「今回の推しはこの人」という風に、毎回、みかたを変えてみるのもオススメです。年を重ねると好きな場面やキャラクターが変化するようなので、何度見ても新たな発見があるかもしれません!

『仮名手本忠臣蔵』は、全部で十一段から成り立つ長いお芝居ですが、12月の国立小劇場では、起承転結でいうところの「起」 の部分、殿中での刃傷事件から、御家断絶までの流れを軸に上演されます。

◆12月文楽公演情報はこちら↓↓↓


みだし③

人形浄瑠璃文楽は、語り聞かせる芸能と、人形をあやつる芸能が融合した、日本が誇る伝統芸能の一つ。太夫・三味線・人形遣い、3つの役割で構成されています。

文楽人形は、人形一体を3人で遣います。これは、数多い人形劇の中でも、日本の文楽だけの特徴。
3人で遣うことで、より繊細な動きを表現できるのです。
また、太夫は「語り」、三味線は「音色」で、登場人物の心理描写・情景を描きます。太夫と三味線は、まるで夫婦のように息ぴったり。太夫・三味線の阿吽の呼吸も目が離せません!
太夫の語りでは、日本語の美しさや表現力にはっとすることも!!
どっぷり物語に浸りたいという方にもおすすめです。


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『仮名手本忠臣蔵』では、全段を通して、四季の移り変わりを楽しめます。
12月国立小劇場で上演される場面は、「春」。
太夫が語る詞章に耳を傾け、日本の四季を舞台で感じるのも粋ですね。

国立劇場へ来場する際はこれもチェック!
劇場で買えるので、観劇のお土産に!!!




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