【初心者さん向け!演目ざっくり紹介】4月歌舞伎座「四月大歌舞伎」公演
皆様こんにちは。
皆さまの歌舞伎観劇の第一歩をサポートする「歌舞伎はじめてガイド」。
歌舞伎を観てみたいけれど、どこから情報を得れば良いのかわからない…歌舞伎の演目名がずらっと並んでいても、どんな内容なのかがわからなくて困る!・・・そんな初心者さん向けの「演目ざっくり紹介」、こちらは2024年4月歌舞伎座編です。
4月の歌舞伎座は、若手からベテランまでの多彩な芸が観られるラインアップ!
では、さっそく、演目についてご紹介していきたいと思います。
《昼の部の演目》『双蝶々曲輪日記 引窓』『七福神』『夏祭浪花鑑』
まず最初が『双蝶々曲輪日記』という演目の、引窓という場面です。
古典の演目の中でも上演される回数が多い演目です。上演頻度が高いのは、名作の証!実際、親子の情にとてもぐっとくる、とても良いお芝居です。
ただ、見た目の派手な歌舞伎っぽさはないのと、義太夫節という三味線音楽のナレーションで進んでいくので、歌舞伎初心者には正直言うとちょっとハードル高いところはあるかも…?(そんな方には強い味方のイヤホンガイド解説…どうぞご活用ください)
ちなみにこの場面の名前にもなっている「引窓」というのは何かというと、紐を引いて開ける天窓のことです。この「引窓」をあけたりしめたりしながら物語が進んでいきます。キーアイテムです。引窓のある家の中で展開する、家族のお話。お嫁さんがお月見の準備をしていたり、生活感が見えるところも、雰囲気があって良いなと思うところです。
次が、『七福神』。
がらっと変わって、こちらは舞踊の演目です。「七福神」については皆様ご存じかと思いますが、今回は、七福神役に7人の人気若手俳優たちが配役されています。
個性豊かな七福神たちを、個性豊かな7人がどうやって演じるのか、また見た目もどんな風に出てくるのか、楽しみです。古典のずっしりとしたお芝居2つに挟まれた中幕の舞踊演目なので、箸休め的な感覚で、レビューショーのようにお楽しみいただけるのではと思います。
そして昼の最後が、『夏祭浪花鑑』。
今回、主役の団七九郎兵衛を演じるのは片岡愛之助さん。愛之助さんは、この役をはじめとする歌舞伎での演技が評価されて、先日「令和五年度 芸術選奨文部科学大臣賞」を受賞されました!受賞理由に「毛穴の一つ一つから大坂の匂いが噴き出すように演じ」とありましたが(毛穴一つ一つってすごい…)、タイトルに「浪花(なにわ)」とあるように、舞台はもちろん大阪です。歌舞伎座がいっきに関西の空気になることでしょう。
最近は『ルパン三世』の歌舞伎化でも話題になった愛之助さん。乗りに乗ってます。お見逃しなく。
《夜の部の演目》『於染久松色読販』『神田祭』『四季 春 紙雛/夏 魂まつり/秋 砧/冬 木枯』
夜の部は『於染久松色読販』から。
片岡仁左衛門さんと坂東玉三郎さんという、歌舞伎界きっての美男美女の人気コンビがかえってきます。
ただ、こちらの演目は、キラキラ美しい~というタイプの演目ではありません。おふたりが演じるのは、人をだまして生計を立てているような、ちょっと悪いカップルです。
歌舞伎には、悪役が輝くお芝居というのもたくさんありまして、悪いキャラクターなのに惹かれてしまう魅力がたっぷり……しかも仁左衛門さんと玉三郎さんの芸をもってすると、魅力は増し増しに!長年一緒にお芝居をされているおふたりの、息ぴったりな空気もお楽しみください。
そして次に、『神田祭』。
こちらは舞踊の演目ですが、さきほどまで『於染久松色読販』でちょっとアウトローな役柄を演じていた仁左衛門さんと玉三郎さんが、すっきりと大変美しい見た目になって現れます!仁左衛門さん演じる鳶頭と、玉三郎さん演じる芸者はカップルという設定ですので、おふたりの惚れ惚れするような仲睦まじいお姿をどうぞご堪能ください。
『於染久松色読販』と『神田祭』の組み合わせは、2021年2月(いまから約3年前)にも仁左衛門さんと玉三郎さんのおふたり出演で上演されて、連日評判だった舞台。おそらく歌舞伎ファンたちも、こぞってチケット確保しようとすると思います。チケットはどうぞお早めにゲットしてください。
★今月の歌舞伎好き社員・藤之森のおすすめトークは『神田祭』についてお話ししています。
さらに、夜の部さいごは『四季』と題された舞踊4つ。
短い舞踊4演目をまとめて見られるというなんとも贅沢な一幕。四季折々の日本の風景が描かれます。
春は、ひな祭り。菊之助さんと愛之助さんの女雛、男雛は、ぜったいに美しく素敵です。まだ見てないですが、眼福なお姿が目に浮かびます。夏はお祭り。中村芝翫さんが息子さんたちや甥の児太郎さんたちと一緒に踊ります。こちらは賑やかで華やかな踊りが見られそうです。
(→訂正!すみません、「お祭り」ではなく「夏魂まつり」でした。ので、賑やかで華やかというよりは、京都の大文字の送り火を背景に、夏の夜の情緒あふれる踊り。若いカップルの恋模様も素敵です。)
秋は、砧の音が聞こえる風景。演奏は筝曲が入るようですので、お箏の音色と女方の舞踊で、郷愁あふれる美しい舞台になるのでは。
冬は、木枯らしが吹き、木の葉が舞う中で、みみずくたちの踊り。木の葉役にも大勢が出演して、躍動感あふれる踊りになりそうです。
バラエティ豊かな舞踊4つ、とても楽しみです。
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以上、4月歌舞伎座演目のざっくり紹介でした。皆様の「歌舞伎はじめ」に、少しでも参考になりますように!(編集A)
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