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《歌舞伎×○○》 歌舞伎好きな私が語る『鬼滅の刃』の魅力(後編)

本日の記事は、三浦広平さんが語る《歌舞伎×鬼滅の刃》の後編。

前編では、いま話題の『鬼滅の刃』について、その人気の秘密を歌舞伎好きの視点で紐解きました。後編の今回は、個性あふれるキャラクターの魅力に迫ります。歌舞伎に出てくる役柄とも通じるところがあるとのこと。ぜひチェックしてみてください!

※前編の記事はこちら↓↓↓※


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文:三浦広平

いよいよ今月16日から映画『鬼滅の刃』無限列車編が公開されます。10日からは地上波でアニメの再放送もありますが、いちファンとしてコロナ禍を吹き飛ばすほどの盛り上がりを見せてほしいと思いつつ、テレビアニメの主題歌『紅蓮華』を聴きながらこの原稿を書いています。名曲に乗せて、それでは後編です!



鬼の首領・鬼舞辻無惨はあの役柄?

物語が進むにつれ、主人公の竈門炭治郎ら鬼殺隊の隊士、そして敵である鬼たちも、より強くなります。両者の戦いの中で、味方ばかりでなく鬼の内面にも迫り、それが大きな見どころになっているのが『鬼滅の刃』の興味深いところです。

実は、トップクラスの力を持つ十二鬼月(じゅうにきづき)をはじめ、全ての鬼はもともと人間です。そんな鬼たちの中には、世の理不尽に打ちのめされ、怒り嘆き、「自分がもっと強ければ」と絶望しているところで、ある鬼に声をかけられた者もいます。「強くなれば負けることはない」「死ぬくらいなら鬼になれ」とその血を分け与えられ、鬼となることを選んだのでした。

ある鬼こそ、全ての鬼の首領・鬼舞辻無惨(きぶつじ むざん)。
彼は巧みに人間界へ入りこみながら、自らの力を高めるため人を喰らい、鬼を増やし、鬼殺隊の壊滅を企てています。彼には世界征服などの壮大な野望はありません。またその心には善も悪も、誇りも恥もありません。とにかく生きることにのみ強い執着を持っています。

ですから人を喰らうこと、殺すことに何のためらいもない。炭治郎ら鬼殺隊との決戦では「親兄弟が殺されたのは天災と思って諦めろ」「むしろ自分が生きていることを幸運と思え」「口を開けば仇、仇と本当にしつこい」と言って捨てます。「慈悲も情けも身どもは知らぬ」とは、古典歌舞伎の名作『平家女護島』で俊寛を虐げる瀬尾太郎の決めゼリフですが、これがまだおとなしく聞こえる冷酷さ。

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