「高木秀樹だより」季節の挨拶から芝居噺まで(11月5日号)~高木と行く 大阪文楽ツアー 序章~
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「高木秀樹だより」季節の挨拶から芝居噺まで(11月5日号)~高木と行く 大阪文楽ツアー 序章~

高木秀樹さんの芝居噺を不定期でお届けする「高木秀樹だより」。第5回の今回から数回にわたり、文楽発祥の地・大阪に残る文楽ゆかりの地を巡る「大阪文楽ツアー」をお届けします。まずは出発前のウォーミングアップというところ…写真のキャプションにもご注目ください!

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文:高木秀樹

皆様ご機嫌よろしうございます。毎回、冒頭で触れておりますタイトル「高木秀樹だより」のこと。わたくしが考えたのではありませんよ。担当の者が付けてくれたもので、極めて気恥ずかしいんですが、今回も皆々様に喜んで頂ける「たより」となるよう努めます。

今回で5回目、最初が昨年の6月でした。読み返したところ毎回「コロナ」のことに触れております。これを書いている令和3年(2021)11月現在、日本ではコロナ状況が落ち着いてますね。10月30日(土)が初日だった大阪は国立文楽劇場の「錦秋文楽公演」。そちらのイヤホン解説制作のため、久しぶりに当地へ行ってきました。

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このたびの公演は11月21日(日)まで。
右下、チラシの写真は第三部『ひらかな盛衰記』
四段目「神崎揚屋の段」の傾城・梅ヶ枝
大阪では33年ぶりの上演で、おススメ! イヤホン解説は高木が担当。


文楽を観るために大阪通い

やっぱり大阪に出掛けて文楽を観るのはいいものですね。ふだん東京の国立劇場では年四回、二月・五月・九月・十二月の文楽公演を欠かさず観ております。とはいうものの文楽の本場は大阪です。江戸時代の「大坂」といった頃、初代・竹本義太夫が道頓堀に竹本座を建てました。これが今の文楽の元祖です。

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五代綱吉の頃、貞享元年(1684)大坂道頓堀に「竹本座」を旗揚げ。
場所は道頓堀川に架かる戎橋えびすばしのたもと。
有名な「カニの看板があるお店」のハス向かい辺り。

竹本座以来の伝統で人形浄瑠璃・文楽の本場は大阪。劇場の名称も国立「文楽」劇場と名付けられ、公演回数は東京より多い年五回、一月・四月・六月・七~八月・十一月となっております。文楽好きのわたくしとしては東京公演だけでは物足りなく感じ、昭和の終わり頃から、ただ文楽を観るのが目的で大阪通いを始めたんです。もう三十数年前のことになります。


ゆかりの地めぐり

今回のお題は「大阪文楽ツアー」の再現です。イヤホンガイドでお客様を募集し、わたくしが案内人のガイドとなって文楽ゆかりの地をめぐる・・・。そうしたイベントを今から14年前の平成19年(2007)に行いました。そのキッカケは、わたくし自身の「ゆかりの地めぐり」で、文楽劇場の近辺には上手い具合に作品の舞台となったところや、関係者のお墓といったものが沢山あったんです。

申しましたとおり、昭和の終わりから大阪に来る度に散策をしておりますから上町台地うえまちだいちという一部の地域だけ、やけに詳しくなりました。上町台地は、その名のとおり高台が続く、大阪城から四天王寺まで南北に約5キロの地域で、まさに大阪の中心地です。

かつて世田谷区にある観劇グループでの講座で、わたくしが『摂州合邦辻』の話をした際、黒板に「合邦ヶ辻閻魔堂」に関連する場所、この上町台地にある、四天王寺・清水寺・料亭浮瀬うかむせ跡などを書き、「やあ、わたくしはこの辺り詳しいですよ。イヤホンガイドでなく観光ガイドだって出来ますから・・・」と冗談で言ったんです。

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