歌舞伎の沼からこんにちは。~私はこうして歌舞伎にハマった~ #17
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歌舞伎の沼からこんにちは。~私はこうして歌舞伎にハマった~ #17

イヤホンガイド解説者たちが、歌舞伎や文楽の魅力にハマった経緯や芝居への愛を語るシリーズ「歌舞伎の沼からこんにちは」。

今回はすぎはらちゅんさんがご担当。歌舞伎が気になりだしたのはまさかの○○がきっかけだったそうで……? どうぞお楽しみください!

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文:すぎはらちゅん

劇場という空間が好き

歌舞伎は私にとって「沼」というよりも広い「海」のようなところなのですが、今回は、私が歌舞伎の世界にハマったきっかけをお話しさせていただきましょう。

私は学生の頃から、演劇に限らず、舞台鑑賞が好きでした。特にお気に入りの劇団や俳優があるというわけではなく、強いていうと劇場空間がとても好きなのです。劇場に入ると、不思議と心が落ち着きます。現実や日常から完全に切り離され、そこで展開される表現、音楽、物語の世界に没頭できるからでしょうか。

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20代前後の頃から、PARCO劇場、青山円形劇場、本多劇場、ザ・スズナリ、その他、多くの大・中・小の劇場などで、当時はできるだけ広範囲に、国内外のいろいろな舞台作品を観たいと思っていました。当時観た中で、今も強く印象に残っているのは、1994年に東京厚生年金会館で上演された黒蜥蜴くろとかげ(美輪明宏演出)と、2002年にBunkamuraシアターコクーンで上演された『オイディプス王』(蜷川幸雄演出)です。

でも、当時、“歌舞伎を観に行こう”と思ったことは一度もありません。歌舞伎は古典芸能で難しく、古めかしい過去の物だという思い込みがありました。


そんなところに歌舞伎が?

ところで、肝心の「歌舞伎」の話をする前に、私個人の仕事のことを少しお話しさせていただきたいと思います。趣味の舞台鑑賞では歌舞伎という選択肢がすっぽりと抜けていましたが、“そういえば、この世に「歌舞伎」というものがある”と思い起こさせてくれたのが仕事だったからです。

私は、CG制作を中心に映像制作の仕事に携わっていました。CGデザイナーは、映画、テレビ番組、CM、ミュージックビデオ、ゲームなど、特定の分野に限定されることなく、幅広いジャンルのコンテンツ制作に関わることができます。経験を積むに従い、それぞれの得意分野が絞られていき、人それぞれにキャリアが形成されていくと思うのですが、私の場合はアニメーションの仕事に関わる機会が増えていきました。

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ある時、当時関わっていたTVシリーズのアニメ監督が言いました。
富野とみの由悠季よしゆき氏はむかし『機動戦士ガンダム』を制作していたときに『歌舞伎』を意識していた」と。“むむ、なんと、それはおもしろい”と思いました。

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