
ポール・グリフィス浮世絵コレクション展 #1
十人十色の趣味を持つイヤホンガイド解説者。「イヤホンガイド解説者のひろば」でも、舞台観劇、読書、漫画、着物、観光…などなど、解説者のいろんな趣味のお話をお届けしてきました。
今回から新シリーズ、「ポール・グリフィス浮世絵コレクション展」がスタートします。
浮世絵コレクターとしての一面も持っている英語解説者のポールさん。父親から影響を受けて収集を始めたのはなんと10代のころ! そんなポールさんの浮世絵コレクションをご紹介していきます。これを読めばあなたも浮世絵にハマってしまうかも…!?
どうぞお楽しみください。
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文:ポール・グリフィス
浮世絵と歌舞伎

『着衣始小袖曽我』 桐座、寛政10年1月
19世紀以降、西洋には浮世絵収集家が大勢いたため、いまでは数え切れないほどの浮世絵版画や肉筆画がヨーロッパとアメリカ中の美術館に収蔵されています。「大衆文化」と言われて芸術として評価されていなかった浮世絵ですが、日本国外では、長きに渡って賞賛され、評価されてきたのです。浮世絵に描かれる主な主題といえば、「美人」「歌舞伎役者」そして「風景」の三つですが、この中で最も評価されてこなかったのが役者絵です。いまだに役者絵はないがしろにされることも多く、有名な美術館ですら鑑定や解説が間違えていたりもします。少しずつ改善されてきてはいますが、歌舞伎自体についてよくわかっていないと、役者絵を深くきちんと理解することはできません。
最初は私も見た目の魅力から役者絵に惹かれました。躍動感があり、気持ちが高まるような構図に惹かれて、10代から役者絵を集めはじめました。40年以上前のことです。大胆な構図の中に、劇的な瞬間を感じるような名画もあり、その浮世絵に描かれた場面では実際に何が起こっているのかを知りたくなりました。以来、描かれている題材「歌舞伎」にも惹かれるようになり、歌舞伎それ自体が浮世絵を買う主な動機になり、愛情の深さとともに私のコレクションは増え続けました。役者絵と歌舞伎は、私にとって同じものの表裏。切っても切り離すことのできないものです。
イヤホンガイド社のおかげで、歌舞伎をじかに学べるようになり、歌舞伎を理解すればするほど、役者絵をより深く鑑賞することが出来ました。浮世絵と芝居の深いつながりについて、私のコレクションの中からいくつかご紹介したいと思います。
浮世絵に見る演劇的文脈
私は初期の歌川派、とくに初代歌川豊国の役者絵が大好きです。江戸時代の寛政年間、豊国は、あの有名な写楽と同時代に生きていました。歌舞伎ファンのあいだでは歌舞伎の精神を最もよく捉えていたのは豊国である、と言われることがあります。写楽が天才で、多くの傑作を作ったということは誰もが認めることですが、彼が描く役者は実際に舞台で演じてはいる姿ではないと私は感じます。彼は印象的なデザインの肖像画を多く生み出しましたが、その中に演劇的な文脈を見出すのは困難です。
それとは反対に、豊国のこちらの作品では、