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歌舞伎の沼からこんにちは。~私はこうして歌舞伎にハマった~ #5

解説者それぞれが歌舞伎や文楽の魅力の沼にどうやってハマったのかをお話しする記事のシリーズ「歌舞伎の沼からこんにちは」。

今回のご担当は、奥山久美子さんです。



***

文:奥山久美子

音楽の道を歩む子供時代

歌舞伎の沼。今でこそ毎月のスケジュールと懐具合に頭を抱えながら、せっせと観劇予定を詰め込むほど、どっぷりと歌舞伎沼にハマっている私ですが、少し前までは、歌舞伎を観に行くようになるとは、ましてや歌舞伎沼にハマってしまうとは夢にも思いませんでした。

私は、3歳の時にピアノを始めました。私がどうしてもピアノをやりたいと頼んだ・・・のでは全くなく、母親の願望です。私の母は三人姉妹の末っ子で、一番上の姉だけがピアノを習っていたことが羨ましくて仕方がなかったそう。どういう理由で母がピアノを習わせてもらえなかったのかは不明ですが、母は長女である私に自らの夢を託したわけです。私は、どちらかというと男の子と外で遊ぶ方が好きだったのですが、母は落ち着かない私をアメとムチで仕込み、音楽の道へと向かわせました。相変わらず練習は嫌いでしたが、人前で演奏する緊張感と快感がたまらず、音楽大学へ進みました。大学では邦楽関係の講座もあり、確か鼓についての講座を受講したと思うのですが、残念なことに何を勉強したのか全く記憶にございません。


義母は大の歌舞伎好き

こんな調子で、日本の伝統芸能とは無縁で過ごしてきた私が歌舞伎と出会ったのは、結婚後のこと。義母が大の歌舞伎好きだったのです。しかし、息子である主人は、歌舞伎に興味がなく、一度も歌舞伎を見に行ったことがないという親不孝者で、義母が歌舞伎好きだということを知ったのは、結婚してからでした。義母は、私が訪ねるとよく歌舞伎の本や写真を見せてくれました。そして、「久美子さん、一緒に歌舞伎座行きましょうよ」と誘ってくれたのです。

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