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【初心者さん向け!演目ざっくり紹介】4月歌舞伎座「四月大歌舞伎」公演

皆様こんにちは。
皆さまの歌舞伎観劇の第一歩をサポートする「歌舞伎はじめてガイド」

歌舞伎を観てみたいけれど、どこから情報を得れば良いのかわからない・・・歌舞伎の演目名がずらっと並んでいても、どんな内容なのかがわからなくて困る!・・・そんな初心者さん向けの「演目ざっくり紹介」、こちらは4月歌舞伎座編です。

 

4月歌舞伎座公演のチラシ

 

では、さっそくご紹介していきたいと思います。

 

《第一部の演目》『天一坊大岡政談』

チラシを見ると、演目のタイトルの上に「通し狂言」とあります。「狂言」というのは、「演目」のことなので、「通し狂言」というのは、つまり「ひとつの演目を最初から最後まで通してやります」という意味です。
え、そんなの当たり前では・・・???と思うかもしれませんが、歌舞伎では「人気のある場面だけを上演する」ことがとても多く、「通し」で上演するときには「通し狂言」とわざわざ書くくらい、意外と普通ではないんです。そしてこの「人気のある場面だけ上演する」という歌舞伎あるあるな上演形態こそ、「歌舞伎はわかりづらい」と思われてしまうひとつの理由なんじゃないかと思うんですよね・・・
ということで、物語りの最初から最後までをきちんと上演する「通し狂言」は、初心者の方にもおすすめしやすい上演形態なのです!

この作品は、江戸時代に実際に起こった事件をもとにした芝居なんですが、天一坊という、ときの将軍・徳川吉宗のご落胤を名乗る人物が出てきて巻き起こす騒動のお話です。天一坊の一味と、江戸町奉行の大岡越前守の対決が見どころ。大岡越前守といえば、時代劇などでも有名なので聞いたことがある方も多いのでは・・・?
メインの役どころを演じる尾上松緑さん、片岡愛之助さん、市川猿之助さんという、まさに油ののりきった人気俳優たち。劇中の対決よろしく火花を散らす競演も、存分にお楽しみいただける勢いのある舞台になるはずです!

《第二部の演目》『荒川の佐吉』『義経千本桜 時鳥花有里』

2つの演目が上演される第二部。まずは『荒川の佐吉』。こちらは、昭和の時代になってから作られた作品で、歌舞伎といっても現代劇に近いような、会話で進むセリフ劇です。

「歌舞伎は江戸時代につくられたもの」というイメージがあるかもしれませんが、時代時代に合わせて新しい歌舞伎も作られ続けています。最近も、人気漫画を題材にした新作歌舞伎『ワンピース』や『風の谷のナウシカ』も新作歌舞伎化されて話題になりました。

主人公の佐吉は、やくざの世界に身を置いていましたが、親分に孫・卯之吉を託されて育てることになります。年月が経ち、すっかり親子としての絆が深まった佐吉と卯之吉。ふたりにはつらい展開が待ち受けることになるのですが、育ての親と子の情愛に涙せずにはいられません。
見た目に派手な「歌舞伎らしさ」はありませんが、人間ドラマ、人情、男の生きざま・・・このあたりのキーワードに興味のある方にはハマる作品だと思います。
 

二つ目の『義経千本桜 時鳥花有里』は、有名な歌舞伎の古典作品『義経千本桜』の一場面を舞踊で魅せる舞踊劇です。前後の物語の説明がないので、ストーリーがわからなくてハードルが高いと思うかもしれませんが、この場の主人公・源義経の状況は、そんなに複雑ではありません。
義経は、源平の戦で活躍したにもかかわらず、兄・頼朝から疎まれて追われる身となってしまい、現在、追っ手から逃げる逃避行の真っ最中。・・・そこだけおさえて置けば大丈夫です。逃避行の道中で出会う旅芸人たちが実は・・・という展開が今回の舞踊劇です。
振りの意味や、細かいストーリーはイヤホンガイドが補足しますので、心配な方はイヤホンガイドを借りればさらに安心です◎

 

《第三部の演目》『ぢいさんばあさん』『お祭り』

いま、歌舞伎界では至上何度目かの「にざたまブーム」が沸き起こっています!「にざたま」とは、片岡仁左衛門さんと坂東玉三郎さんのおふたりのこと。美男美女の名コンビとして、おふたりが20~30代の昭和50年代、仁左衛門さんがまだ片岡孝夫を名乗っていた頃から「孝玉コンビ(孝夫と玉三郎のコンビの意)」と呼ばれて一大歌舞伎ブームを巻き起こしました。
それから数十年経った今も、変わらぬ美しさで観客を魅了する仁左衛門さんと玉三郎さん。新規のファンも増え続け、このふたりのコンビで上演される演目は大人気です。

そんなおふたりが共演するのが、第三部の『ぢいさんばあさん』。こちらは、夫婦の愛を描いたお芝居で、主人公夫婦の若い頃と、それから37年後の姿、どちらも仁左衛門さん玉三郎さんのおふたりが演じます。仲睦まじいおしどり夫婦は、まさに美男美女の名コンビにぴったり!ちなみにこちら、「泣ける物語」としても人気の演目ですので、マスクの替えがあったほうが良いかもしれません…

 
2つ目の演目は、『お祭り』。芸者の踊りを坂東玉三郎さんが踊ります。もうこれは美しい芸者姿の玉三郎さんを堪能していただくという舞台です。若手俳優たち演じる鳶頭に囲まれて踊る美しい芸者の踊り。眼福ですね

 

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以上、4月演目のざっくり紹介でした。

皆様の「歌舞伎はじめ」に、少しでも参考になりますように!(編集A)

 

※歌舞伎好き社員・藤之森のおススメ演目トークもどうぞ!

 

 


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