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バーチャル芝居ゆかりの地めぐり ~『義経千本桜』の源九郎狐さんを訪ねて。~

イヤホンガイド解説者は、解説を担当する演目について様々なアプローチで取材をしています。ときには、その芝居ゆかりの土地を実際に訪ねることも。そんな芝居にまつわる旅のことをお話する「バーチャル芝居ゆかりの地めぐり」。

今回は齋藤智子さんが『義経千本桜』ゆかりの地、源九郎稲荷神社をたずねます。

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文:齋藤智子

いまも残る狐忠信のモデルになったお稲荷様

歌舞伎に登場する歴史上の人物といえば、まず最初に源義経(みなもとのよしつね)を思い出す人も少なくないでしょう。義経はそもそも実人生が、芝居に負けず劣らず、波乱に満ちたものでした。

腹違いの兄・源頼朝と協力して父の敵・平氏を倒し英雄と祭り上げられるも、その頼朝と対立し、一転して京の都を追われる身となり、はるか奥州の地で31歳という若い命を散らしました。歌舞伎では、牛若丸と呼ばれた少年時代を描いた『鬼一法眼三略巻』から、奥州への逃避行を描いた『勧進帳』まで、史実に伝説や物語性を加えて悲劇の貴公子として描かれています。

義経を描いたお芝居のなかでも人気の芝居が、『義経千本桜』です。義経の名前が冠されているにも関わらず、義経本人は脇役に徹するというユニークな構成で、都から落ちていく義経を、影になり日向になり守る家来や庶民、そして敵であるはずの平家方に焦点を当てた浄瑠璃狂言です。
なかでも印象的なキャラクターが、義経四天王のひとり、佐藤忠信。史実では、一ノ谷、屋島、壇ノ浦などを転戦し、都落ちした後には義経に成りすまして、おとりとなって奮闘したとも伝わります。お芝居では、佐藤忠信に化身して義経一行を守る狐、狐忠信として登場します。

今回は、この狐忠信のモデルとも言われ、実際に義経を守ったという逸話が残る白狐が祀られた(げんくろう)稲荷神社へ、バーチャル旅行に出かけましょう。


↑『義経千本桜』は、11月歌舞伎座でも上演中


道頓堀まで伝播した、義経を守った白狐伝説

京都駅から近鉄電車の各停にゆられて、およそ1時間。近鉄郡山駅を降りると、

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