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バーチャル芝居ゆかりの地めぐり① ~『研辰の討たれ』をたずねる~(前編)

イヤホンガイド解説者は、解説を担当する演目について様々なアプローチで取材をしています。ときには、その芝居ゆかりの土地を実際に訪ねたりも。

「バーチャル芝居ゆかりの地めぐり」シリーズでは、そんな芝居にまつわる土地めぐりの旅のことをお話ししていきます。

今回、ゆかりの地をたずねる演目は『研辰の討たれ』。担当は市井佳代子さんです。


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文:市井佳代子

讃岐の国の仇討ち事件

皆様こんにちは。市井佳代子です。
歌舞伎公演が行なわれない中、何か歌舞伎にまつわるお話を、ということですので、かつて芝居ゆかりの地へ行った時のことをお話しようと思います。

私は昨年(2019年11月)歌舞伎座で木村錦花作『研辰の討たれ』の解説を担当しましたが、この芝居は実際に起きた仇討ち事件を脚色したものです。

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↑2019年11月のチラシ。松本幸四郎が主人公の辰次を演じました。


芝居の内容は、刀の研ぎ師である辰次が、うまく殿様に取り入って侍に取り立てられますが、家中の侍たちのいじめを受け、ついに、満座の中で自分を侮辱した家老を闇討ちに殺してしまいます。家老の息子たちに敵として命を狙われた辰次は三年間逃げ回りますが、ついに辰次の生まれ故郷である四国の讃岐の国(香川県)で見つかり、敵を討たれてしまう、というお話です。
この辰次の逃げっぷりがおもしろく、仇討ち物なのに笑いの絶えない芝居で、人気作品となっています。

この題材となった実際の事件は、文政十年(1827年)、讃岐の国・羽床村(はゆかむら)で起きました。お芝居の主人公の名は辰次ですが、実際の名は辰蔵です。

羽床には辰蔵の墓があるというので行ってみました。


↑野田秀樹さんが演出した『野田版 研辰の討たれ』はシネマ歌舞伎にもなりました。(2019年11月上演のものとは別演出です)


まずは石碑を目指して

香川県綾川町羽床には、高松駅から琴電に乗って行かれます。

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